ギルガメシュ王ものがたり (大型絵本)
5000年も前に書かれた世界最古の物語。それだけで鳥肌ものだと思いませんか。世界四大文明の1つ、メソポタミアで粘土板に楔形文字で書かれたものが解読され、著者の繊細で美しい絵とともに絵本としてよみがえったのです。
単に物語としての楽しみはもちろんですが、それに加え歴史的背景も見えて、大人も十分楽しめます。歴史や世界に興味を抱き始めた高学年の子供達は、目を輝かせて見入っていました。3部作になっていることも、興味をそそる要因のようでした。
絵だけでも十分見入ってしまいます。コレクションとしての価値も十分にある絵本だと思います。是非お手元に残していただきたい1冊です。
ギルガメシュ叙事詩 (ちくま学芸文庫)
数千年前に作られた世界最古の文学作品、『ギルガメシュ叙事詩』。ギルガメシュやエンキドゥ、杉の森の怪物フンババの名は『ファイナルファンタジー』などで最近では有名かもしれない。
剛勇無双の友エンキドゥが、ウルクを襲撃した『天の雄牛』を殺した罰として神々から呪いをかけられ死んだ様を見て、ギルガメシュは死への恐怖に憑かれる。永遠の生命を得るために世界を彷徨うギルガメシュ。旅の途中出遭った謎の女性シドゥリがギルガメシュを諭す言葉は深く優しい。しかしその言葉に納得しないギルガメシュはなおも旅を続け、遂に神の恩寵によって永遠に生きるという賢人ウトナピシュティムに会うが…。
数千年も前から永遠の生命の獲得は人類の夢であったのだ。人類は今もその夢を科学技術によって追い続けている。求めても永遠の生命など得られるはずのなかった古代の人々は、それに対してどのような答えを出したのか。古代の人々の人間観・生命観が伝わってくる物語。世界最古にも関らず、その文学性は現代でもなおその光を失っていない。部分的なエピソードが、何より物語の結末が失われていることが惜しまれる。