パワーハラスメントなんでも相談―職場のいじめ・いやがらせで困っていませんか
私は実際、労働被害に遭ってからこの本を購入しました・・・
『パワーハラスメントなんでも相談』という題名でちょっと頼りない
内容かな??と思いつつ購入しましたが、かなり充実した内容でした。
この本を参考にして使用者との交渉時の資料を作成できたくらい!!
本書登載判例は、昭和中期から最近の判例まで非常に多く、また、
通称事件名だけではなく、判決の年月日、裁判所、資料名も載って
いるので、その後、判例の詳細検索もすぐできました。
ただ地裁判例が多いので、実際の交渉時では、使用者側・労働者側で
疑義が生じますね・・・。
労働者としての権利主張をする前に、突然の労働被害に遭う前に、
労基法や就業規則をしっかり読み込み、その上でこの本を読む事
をお薦めします。
パワーハラスメント なぜ起こる? どう防ぐ? (岩波ブックレット)
パワーハラスメントに全く縁のない人にも、その深刻さがひしひしと伝わる本。
副題に「なぜ起こる?どう防ぐ?」とありますが、特に後者について、詳細に述べられています。
人間関係のこじれを経験しない人なんて、いないでしょう。だけどその「こじれ」がエスカレートすると、人間である以上必ず守られるべき基本的な権利まで、ないがしろにしてしまう場合があります。時には人命まで奪ってしまうことも。要約された判例の数々を見ると、事例のあまりのひどさに、読み手まで精神的なダメージを受けそうになります。
それを受けた上で、後半では、職場における「こじれ」が取り返しのつかない結果を招かないためのポイントを簡潔にまとめてあります。63頁ととても薄い本なので、手早くパワーハラスメントの対策の要点を押さえたい人にとっては、とても有用でしょう。
しかし、副題における「なぜ起こる?」を深く追求したい読者には向いていないかもしれません。本書では主に、不況下における職場環境の変化を、パワハラ問題の急増の原因としています。その根拠として、東京都のパワハラ相談件数が、2002年の約3000件から、2008年には約6000件に増えているデータを挙げています。ですが、それ以前の相談件数の情報が無いので、もし不景気だった1990年代に現在ほど多くのパワハラが無かったとしたら、不況との因果関係はそこまで強くないのでは?と思ってしまいました。
パワハラの相談数が多い会社とそうでない会社との比較や、職場環境の変化以外の要因にも触れていると、原因を知りたい読者にとって親切だったかもしれません。ブックレットという書籍の形態上、情報が少ないのは仕方のない事かもしれませんが…。
ただ、先述の通り、後半部分は問題の対策に的を絞っているので、実用的な箇所がいくつかあります。
「なぜ?」より、「どうしたらよいのか?」を今すぐ知りたい人におすすめです。(by ちゅら@<おとなの社会科>)
パワーハラスメント (日経文庫)
パワーハラスメントは、現在その言葉だけが一人歩きして、上司は部下に対してなかなかものが言いにくい状況である。
本書は、2001年にパワハラの言葉を生み出したクオレ・シー・キューブの岡田康子・稲尾和泉二人の著者によるパワ
ハラガイドである。パワハラの歴史やその他のセクシャル・ハラスメント、ジェンダー・ハラスメント等についての説明
もあり、200頁程度の小冊子ではあるが内容は充実している。著者の意図は、はじめに書かれているように、管理者に
対して正しいパワハラの知識を与えることである。'Wのケーススタディは、判例も載っていて大変参考になった。