バトラーズ~鈴蘭屋敷の異邦人~Vol.5 杉浦編
「鈴蘭屋敷のもう1匹のワンコ・杉浦がお嬢様の母性愛をくすぐります」、と言わんばかりに可愛らしい仕草を見せてくれる作品になっています。
一人で賑やかな彼が半ベソかいたり、ドギマギしたり。
ドキッとするようなシーンはないものの、終始微笑ましい感覚で聴くことが出来ました。
余談ですがジャケット内側のポージングは巻を追うごとに際どさを増しているような気がします(笑)。
The Stranger (Vintage International)
アルベール・カミュの傑作としてしられる、L''tranger(英:"The Stranger")はフィッツジェラルドのスタイルを彷彿させるようなシンプルで平易な文章で書かれている。
■小説のあらすじ■
1人称の物語形式。
主人公ムルソー(Meursault)が母親の死を受け、「悲しみ」を感じることなく翌日旧知の女性マリー(Marie)と情事にふける。
いずれの出来事に対しても、主人公は感情的な側面を見せず(母親の死に対する悲しみやマリーに対する愛情など)、
動物とさほど変わらないような感性的な事しか頭の中に浮かばない。
小説の後半では、友人のレイモンド(Raymond)が彼女が不倫をしていることを発覚し、復讐するためにムルソーに助けを求めるが、ムルソーは道徳的な判断など特にせず、レイモンドの復讐作戦を幇助し、その結果レイモンドの彼女はレイモンドの手によって性的暴力の被害を蒙る。これに対して、ムルソーは「後悔」や「不道徳なことを行った」のようなことは特に感じることなく話は進んでいく。
その後、ムルソーはレイモンドのトラブルに巻き込まれ、ナイフで襲い掛かってきたアラブ人に対し、自己防衛のため鉄砲を取り出し、射殺してしまうが、アラブ人を撃ったあとも4発鉄砲をその倒れているアラブ人の体に放った。
殺人罪で裁判にかけられたムルソーは、アラブ人を殺した事件について、また母親の死後の一連の行為について裁判官や検察官に問い詰められるが、惜しみを演じるより「(母親の死に対して)特に何も感じなかった」と述べたり、「(アラブ人に5発発砲したことに対して)太陽がまぶしかったから」と正直に述べるが、ムルソーの感情の欠如が露呈し、結果死刑判決を下される。
死刑判決を受け、ムルソーは施設つき牧師に悔い改めるように諭されるが、それを受け入れず、牧師が長々と輸すのにいらだったムルソーは、神など信じないこと、また人間の存在の無意味性を論じる。それに対し、牧師はとうとう力尽きてしまい、やつれた表情でその場を去る。
牧師が去ると、ムルソーは内観をし、人間の存在など所詮無意味であることに納得し、安らかに処刑を迎える。
■本の現代的意義■
L''tranger(英:"The Stranger")は何よりも実存主義(existentialism)、さらに詳しく言えば不条理(absurdism=哲学的に、世界に意味を見出そうとする人間の活動は失敗する)を説く大著として知られている。
ムルソーの道徳的価値判断(ethical values)、また人間関係に対する感情の欠如はまさに彼自身の哲学、即ち「人間の存在に意味などない」という考えに根ざしており、読者はそのことに気付くことにより、ムルソーの哲学的信念、引いては実存主義の一貫である不条理が訴える考え方に気付かされる。
■結論■
上記「実存主義」や「不条理」に対し、納得する人もいれば強く反対する人もいるのは当然だが、キルケゴールやカムスをはじめとする実存主義者の考え方を理解するには大きく役立つだろう。
また、哲学の専門書を紐解くには大きなハードルがあるが、この小説は平易な文章で書かれているため、高校生以上にお勧めする。
DREAM PRICE 1000 久保田早紀 異邦人
現在、37歳の私にとって当時の想い出がよみがえって来る作品です。異邦人を聞いた瞬間、当時、こんなに美しい歌声、そして、こんな美しい人がいるんだと、心にしみ込んできたことを、思い出します。
異邦人
今回、松本孝弘さんの企画であると言う。「自分がギターリストとして影響を受けた楽曲」との事だが、まさか『異邦人』を引き出してくるとは。
そしてZARDが歌うとなれば、まさしく期待以上である。
「(オリジナルより)すこしテンポアップした」
とワイドショーなどで批評した人がいたが、もちろん文句ではあるまい。よくやってくれた、との絶賛である。そして、ZARDの坂井泉水の歌声で、
オリジナルより爽やかになったと言うのが、率直な感想である。
松本孝弘さん、よくぞやってくれた。絶賛である。
異邦人(上) (講談社文庫)
一昔前ならパトリシア・コーンウェルの検死官シリーズの新作が発売されたら速攻で購入してたけど、最近では中古本が出るまで待てるようになりました。
その理由は簡単でこのシリーズが出口のない迷路にまよいこんだって思えるぐらい方向性が定まってないんですよ。
新作が発売されるたびに次こそはシリーズの面白さが復活してるかなって期待するけど、その期待は見事に裏切られます。
この異邦人は女子テニスプレイヤーが目をくりぬかれ惨殺されると言う事件をスカーペッタとベントンが調査に乗り出すってところまでは良かったのですが、その後は登場人物の苦悩などのオンパレードで肝心の事件が置き去りにされてる感じがしました。
かつてスカーペッタに痛い目にあわされた精神科医のマリリン・セルフまで再登場してきたりして詰めすぎ感が否めなかったです。
このシリーズが始まった当初に較べると登場人物も年をとり、色々と経験してきたけど何か年をとってからの方が大人としての魅力もなくなってきました。
特にマリーノの扱いは酷いもので、今まで脇でスカーペッタを支えてきたマリーノを堕落させるような扱いはファンとして受け入れにくかったです。
前巻を読み終えて後半への期待はしてないけど、せめて次の新作を読みたくなるぐらいまでは楽しませてほしいです。