まんが親 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
中学生の頃から吉田戦車作品を読み親しんではや幾年。
只今子育て真っ最中なので、「子育て」をしている、
という共通の立場に立てるのを嬉しく思いながら、
子どもの仕草や、親の感情に共感しながら読みました。
子育て中でなくとも、吉田戦車ならではの語り口と、
絵表現ににやけながら読めると思います。(老女の絵が好きです・笑)
また、バツイチ同士の結婚ということで、
今回の主役の娘ちゃんの「姉」についてチラリと触れてくれていたことも、
長年吉田作品に親しんだ身としては良かったと思いました。
日本語を使う日々
吉田戦車さんの言葉遊びはいつも面白い。
「日本語を使う!」というテーマで色々な「日本語の単語」について
深堀りや広がりをつけて語る吉田戦車さん。
日常生活での出来事やドラマティックながら観察的視点で綴られた
警察にしょっぴかれた時のエピソード、少年時代のエピソードを交えて語られる「日本語」
には一気読みしてしまう魅力があります。そして挿絵が笑えます。
吉田戦車を知らない人でも買って損はない本です。
気軽に、まさに気を軽くしてくれる読み物としてお薦めします。
山羊王のテーマ
川本真琴名義の活動をやめて、ミホミホマコトやtiger fake furなどで、
趣味の延長みたいな活動をしている彼女ですが、いい意味で、変わったなって思える。
デビュー時の12年位前から聞いていて当時とっても好きだった。
自分もそれだけ年をとりこの月日がたつなかでいろいろな音楽に触れてきた。
音楽の好みは年を取るにつれ変わっていくものだと思う。
ふと、川本真琴というアーティストが頭の中に浮かんで、買ったシングル微熱を聞いたが、
時は理解できなかったメロディー、歌詞、今聞くと個性的なすばらしいものだった。
1stアルバムの「川本 真琴」は万人受けするメロディーで、アニメのタイアップなどで、
彼女の一番有名な曲となった1/2などが入った彼女のキャリアの中で一番売れたアルバムである。2ndアルバムは彼女が好きに作ったアルバムだが、万人受けするアルバムではなかった。しかし、今の時代だったらまだ、受け入れてもらえたかもしれない。このアーティストは少し世に出るのが早すぎたのかもしれないと思う・・・。
その後川本真琴名義の活動を本人の意向によりやめて、ミホミホマコトやタイフェイなどで、活動しているわけだが、この山羊王のテーマというシングルは、彼女の、あの独特の声と歌いまわしがとっても良く合った歌だと思う。万人受けする感じではないかもしれないが、彼女の、いい個性が出ているシングルだと思う。私個人としては、聞いてて楽しくなれる楽曲であることに間違いない。
伝染るんです。第1巻 [DVD]
シュール系4コマをアニメにしたもの。原作マンガは未読。
4コママンガが忠実に再現されているのか、
ひとつひとつのエピソードがすごい速さで展開されていく。
意味がわからないまま終わってしまうネタもちょくちょくあり、
一番有名なキャラクター「かわうそ君」が出てこないネタの方が面白かったりする。
面白くないこともないが、30分しか収録されていないので
あまりにもあっさりしすぎというか、コストパフォーマンスが悪い印象。
パルテノン銀座通り
“架空の○○”というネタは昔からミュージシャンの遊び心を刺激する定番ではあるが、ここでは“架空の県”である。但し元ネタが他者の作品であるゆえの気遣いか、歌詞に説明的な部分が目立つ。ここはリスナーを信用して、または歌詞カードで解説するなどして、もう一歩踏み込んでもよかったのではないか。
知久寿焼と石川浩司の両者のキャラクターはもともとギャグ漫画との親和性が高いのですんなりと“ぷりぷり県”という世界に入り込んでいるが、滝本晃司はあくまで“たまの滝本”というスタンスで屹立している。傘を差して佇む紳士の足許で子供二人が騒いで遊んでいる、ようにも見える。煮え切らないなあ滝本さん、とも言えるが、漫画の人気という一過性のものが時間の経過によって拭い取られたあとに“たまの世界”として普遍的に聴けるのは寧ろその滝本作品である。一方で知久、石川の作品のうちいくつかは、漫画のネタをなぞって音楽作品にしただけ、と言わざるを得ないものもある。つまり総合的に見て、“たま”と“ぷりぷり県”が融合しきっておらず、たま寄りの部分とぷりぷり県寄りの部分とに分離してしまっている、という印象である。
漫画のイメージアルバムであるためアピールする対象を?みにくかったのか。全8曲というやや短いヴォリュームも含め、物足りなさは否めない。実は本作発表時のライヴを見る機会があったのだが、収録曲以外にもぷりぷり県ネタの曲が披露されていてそれらも悪い出来ではなかったと思うのだが、何故アルバムに入れなかったのだろうか。
ザ・ビートルズで言えば『イエロー・サブマリン』、サザンオールスターズで言えば『稲村ジェーン』。作品の性質上しかたないけれども、決して駄作ではないが、間違っても代表作には挙げられないだろう。
ところで、改めて今聴き返しても、滝本による表題曲は吉田拓郎みたいでなんかおかしくなる。