カナクのキセキ5 (富士見ファンタジア文庫)
読み終えた直後です。
胸にぽっかり穴が空いた状態です。目は真っ赤っかです。
よかった、と読み終わったときに思いました。
ちゃんとした終わり方だった、と。
"感動のトゥルーエンドへ!"と公式にアナウンスしている通り、物語が導かれるままに幕を下ろした一冊となっています。
報われた面もあれば、胸に痛みが残る面もあります。
ですが、下手にご都合主義の終わり方をされては、本シリーズのイメージを崩壊させていたことに違いありません。
この『カナクのキセキ』は、これでいいのだと私は思います。
色々な愛が紡がれた物語でした。
1〜4巻でそれぞれの愛が描かれ、そして本巻のエピローグに収束されています。
カナクとユーリエの愛に始まり。
それの元となった愛もあれば、それによって派生した愛があり。
その愛に支えられ、そして新たな愛を生み、受け継がれていく愛。
愛が愛を呼び合い、すれ違ったりぶつかったり。
5巻という決して長くない尺に、たくさんの感動が詰まったシリーズでした。
1巻から「先が読める」という難点があったものの、終わってしまえばもはやどうでもいいことです。
素直に買ってよかったと思えるシリーズでした。
ずっと大切に、手元に残しておこうと思います。
本シリーズを書いた著者と、富士見ファンタジア文庫に。
感動をありがとうございましたと、心の底から伝えたいです。