エディット・ピアフ 愛の讃歌 [Blu-ray]
劇場で観たときはあまりの衝撃に深く考えることを止めた。
マリオン・コティヤール、このとき32歳くらい・・・・
これは演技ではない、ピアフが憑依したに違いない(笑)。
もう深く考えるのは止そう、
もしこれが「演技」なのだとすれば、日本の「女優」についてあれこれ語る自分が馬鹿馬鹿しくなる。。。
(この国に「美空ひばり」を演ずることの出来る胆力と技量のある女優がいるか?)
そうこれは「演技」じゃない、「憑依」現象だ。
すっかり本作のことを失念していたが、先日、BSで再び視聴する機会を得た。
改めて鑑賞し、このマリオン・コティヤールの演技を「憑依」として捉え、
マリオン・コティヤールという、今後世界の映像史に永く記憶されるであろう稀代の女優とその渾身の演技を、
真摯に受け止めることから逃げていた自らに思い至った。
そうこれは「憑依」なんかではない、「演技」だ。
マリオン・コティヤールという偉大な才能が、エディット・ピアフという同じく不世出の偉大な才能に迫った、
迫真の演技であり、崇高な映像芸術なのだ。
創作部分もあろうが、エディット・ピアフという個性が如何なる背景から表出してきたか、
そしてどう成功をつかみ、歌うたびに「命」をすり減らし、壮絶な最期に至るか、
(Phyllis Hymanは憤死のようなもの、Whitney Houstonも似たり寄ったり。
要するに「歌う」ということは、命数を削り歌うことであるのか?)
またそんなことを知らなくても、エディット・ピアフの歌声が国籍や言語、時代を超え、
あらゆる人々の魂を揺さぶるのか、その理由を知るすばらしい手がかりになろう。
(脚本・構成が散漫という意見もあるが、文章でも映画でも偉大な作品は一度や二度観たくらいでは理解できまい)
またマリオン・コティヤールという大女優が大きく羽ばたいた作品として後世永く語り継がれよう。
Blu-ray化されたことでもあるし、改めて本作を鑑賞してみよう。
エディット・ピアフ~愛の讃歌~ (2枚組)
監督はフランス生まれで、製作国はフランス、イギリス、チェコとヨーロッパです。もちろん、ピアフ本人であるかのような素晴らしい演技のマリオン・コティアールはアカデミー主演女優賞を受賞しました。米題のピアフの代表曲は「愛の賛歌」となっていますが、本当は「ラ・ヴィアン・ローズ」です。成熟した国々での撮影、そして、フランス人俳優たち。この映画をハリウッド映画の王道のサクセスストーリーと孤独な私生活をエンターテイメントとして観れる事を期待するとその思惑ははずれます。もしハリウッド製の映画となっていたらラストで歌われる曲は「愛の賛歌」だと思います。失った恋人をモデルにして作られたこの曲は、感動的なラストシーンにもっともふさわしいからです。そういう映画が好き嫌いで好みはわかれますが、ピアフの歌には圧倒されますし、これはマリオン・コティアールの代表作となったでしょう。すべての役者が子役も含めて適役でした。
プレミアム・ツイン・ベスト ばら色の人生~エディット・ピアフ・ベスト
フランス語は習っているのに、シャンソンは気取っている感じがして好きではありませんでした。
ところが、映画「エディットピアフ愛の賛歌」を観て彼女の生き様に感動。本人が歌っている映像がみたくなり、ドキュメンタリーDVDを購入しました。その後、歌だけが聴きたいときのためにCDを購入しました。小さな体で歌と恋に全力投球した人生にあこがれ、平凡な毎日にぴりっと刺激を与えてくれます。
エディット・ピアフ コンサート&ドキュメンタリー [DVD]
貴重な映像!!ライブの凄さが感じ取れる。歌う姿にオ−ラがあふれているように感じますね。エディット・ピアフ コンサート&ドキュメンタリー [DVD]
愛の讃歌~歌と愛に生きた劇的な生涯~ [VHS]
エディット・ピアフ 名前と彼女の歌うシャンソンを少しは知っていましたが、この映画を見て彼女の生涯に魂を揺さぶられ、私の耳元で「眼醒めよ!」と叫ぶ彼女の声を聞いたような感覚におそわれたのを今もはっきりと憶えています。それほど衝撃的な出会いでした。
人生の歓び悲しみを知り尽くした彼女の歌に嘘はありません。
ピアフの歌声そのものはあまり好きではありません。しかし私を捉えて離さない魅力があります。愛の讃歌、聴きなれた日本語の歌詞よりも原詩であるフランス語の意味を知りその歌の生い立ちを知った時、ピアフの愛の深さがわかりました。メア・キュルパ(私の罪)、十字架、王様の牢屋、シャンソン・ブルー(青のシャンソン)、私の神様、美しい恋の物語、パダン・パダン、アコーディオン弾き、美しい恋の物語、水に流して、などまだまだ多くの名曲があります。大河は水深くして流れは永遠です。そのことを教えてくれたこの映画を思い出しつつ今もピアフのシャンソンを聴きながら、ピアフを偲びつつ、レビューを書く私です。機会があれば是非多くの人に知ってもらいたい。ピアフの人生の凄さを、そして生きるエネルギーとなるピアフのシャンソンを!