ヒットマン~血はバラの匂い~ [VHS]
元自衛官の男・高梨が、ヤクザの抗争に巻き込まれて最愛の女性を殺され、復讐のために、たったひとりで二つの暴力団を壊滅させるストーリー。抜群の射撃の腕と鋭い頭脳を武器に、冷酷な殺戮を重ねていく姿が描かれる。常に一触即発の緊張感が漲るサスペンスと激しいアクションで、全編を一気に見せる作品である。
主演の西城秀樹は、さすがにアクションは抜群だし、キザな台詞もピッタリと決まっていてカッコいい。今までにないカミソリのような冷徹さと、獲物を狙う野獣を思わせる残虐性と危険性が、ダーティーヒーローとしての魅力を際立たせている。特に最後の大乱闘のシーンでは、狂気とさえ言える迫力を感じさせて、引き込まれた。ほかに、高梨に一種の愛情を持ちながら追い続けるマル暴刑事の丹波哲郎、行きずりに彼を愛するパートナー・七瀬なつみなどが、それぞれの個性を生かして好演。
ただ、Vシネマとしては仕方ないのかもしれないが、ああいうシーンが露骨に出てくることに嫌悪感があった。こちらもいい大人で、清純ぶっているわけではないが、この作品では必要性もないし、シーンそのものが汚らしく、気分が悪かった。全体的には☆5つにしてもいい作品だが、そうすると、そんなシーンも認めてしまうことになるので、あえてひとつ引かせてもらった。純粋に一編の映画として見たい立場としては、そのために作品が低俗化するのは許せない。
作品の話に戻ると、壮絶なアクションの裏には、本当は優しく純情な男だったのに、突然の悲惨な事件によって血も涙もない殺人鬼と化し、ある意味では警察にも利用された高梨の、あまりに切なく哀しいドラマがある。秀樹は、そんな心理描写でも深みのある演技を見せ、彼女の墓前に佇むシーンの別人のような哀愁には涙も誘われる。ラストで、復讐を果たした後、まるで抜け殻のようになって去っていく高梨の姿がいつまでも心に残り、この後彼は、彼女の墓前で自ら命を絶ってしまうのでは・・・ という想像がよぎって、胸が痛んだ。
ジャンルで言えば、B級の娯楽作品となるのかもしれないが、ひとつの映画として、なかなか重厚感もある。アクション作品として見るか、男のドラマとして見るかで印象は違うと思うが、どちらにしても見て損はない!
P.S. この作品には、無名時代のトヨエツ氏がチョイ役で出ている。探してみてはいかが?
P.S.2 エンディング・テーマ曲となっている「MAD DOG」は、西城秀樹にピッタリのロックで、こちらも注目!
西城秀樹のおかげです (ハヤカワ文庫 JA)
以下、表題作のあらすじとなります。
突然地球全土を襲った恐るべき疫病。残されたのは、たった二人の日本人の男女。なぜ、この二人だけが生き残ったのか?
それは、世界が正に滅ぼうとする極限状況の中で、彼らがかつて日本中を席巻したある流行歌に隠された真の意味を理解・把握し、かつ、その強烈なエネルギーに全身全霊を委ねたため。
そして、宇宙にただ二人残った人類たる彼らは、全ての元凶に出会い、この後の人類の未来を決めるべく選択を迫られる。
彼らが選び取った選択とは?滅びに瀕した人類の未来はどうなる……?
どうでしょうか。全くもって、馬鹿馬鹿しいくらいにSFらしいSFでしょう。
……ええ、嘘は全くついていません。
これは梶尾真治の名作「包茎牧場の決闘」と並ぶ、SFの諧謔精神と懐の広さを高らかに謳い上げる、歴史に残る傑作短篇です。
この評価も、全く嘘ではありません(本当です)。
ええ、嘘だと思うなら、まずは読んでみてくださいな。
GOLDEN☆BEST 西城秀樹 シングルコレクション
2012年7月18日発売
西城秀樹ゴールデン☆ベスト
シングルコレクション
これ、スゲー!
収録曲は70年代のヒット曲をメインに23曲収録
まぁ、そこら辺はベスト盤の定番かもだけど、何が凄いかって、ブックレットが豪華なのよ!
全28ページオールカラー!
当時の未公開写真をふんだんに使ってオリジナルジャケットを再構築したような歌詞カード!
金かけてますなぁ!
で、これで\2000!
お買い得!
ジャケットは派手過ぎちゃってぱっと見冗談みたいだけど、よく見ると奥が深いのよ。
裏表紙なんかは龍まで描かれてて、やっぱ龍雄にちなんでいるのかなって!
「またベスト盤かぁ…」なんて言わずに買ってみましょう!
決して損はしないから!
天使行動 [VHS]
派手でパワフルなアクション、サスペンスとミステリー。香港映画ならではの面白さと興奮を、たっぷり見せてもらった。車ごと海にダイビングして、マシンガンでの大乱戦(特に、ヘリコプターに下げた縄ばしごにつかまって、マシンガンブッ放しながら登場したシーンなんか、感激の涙もの)のあとはビルの屋根から飛び降りて、カンフーアクションもあれば、最後は生き埋めからの生還・・・ さすが秀樹は最高にカッコよかった! ワイルドで、それでいてちょっとクールで紳士的、犯罪者には非情だけど心は優しいというヒーロー役は、まさにピッタリ。あとでTV番組で裏話も聞いたが、とにかく真剣で危険なシーンへの挑戦もマジだったからこその面白さであることがよくわかる。
さらに、ムーン・リーちゃんも可愛かったし(派手なアクションとのギャップがまたいい)、コケティッシュなエレイン・ルイも、ちょっと調子がいいけれど憎めない。リーダー・ジョンの冷静沈着さもカッコよかったなァ・・・ 敵組織の女ボスもド迫力。女同士のナマ喧嘩は本当にすごかった。登場キャラクターか、それぞれ個性的で魅力があるところがいい。
秘密諜報組織が犯罪シンジケートを壊滅させるというストーリーそのものは、単純といえば単純だけど、その中には男の友情やちょっとしたロマンスもあって、思い切り楽しめる作品になっていたと思う。映画なんて、面白ければいいじゃない、ヒーローはカッコよければいいじゃない、と思っている人には最高。ぜひ見てほしい。秀樹には、またこういうヒーロー役をやってほしいけど、日本では、こういう作品、できないのかなぁ・・・
GOLDEN☆BEST デラックス 西城秀樹
西城秀樹さんのシングルA面をほぼ網羅した3枚組CDです。
これまで発売されてきた西城秀樹さんのベストCDからことごとく弾かれていた「エンドレス・サマー」がついに収録されました。
1980年の夏に発売されたこの曲は「ザ・ベストテン」では4位まで上昇したものの、
オリコンでは最高12位と久しぶりにベストテン入りを逃し全盛時のヒデキのシングルとしては
地味な印象はありましたが、個人的に大好きな曲で、ついにこの曲が良い音で聞けてとてもうれしく思っています。
内容的には冒頭に書いたとおりデビューから後期までのほぼすべてのシングルA面曲が実に62曲も収録されており、決定版的内容となっています。
私も中途半端に曲がダブっていた1枚ものベスト全て処分して本品を購入しましたが大満足しています。