ビルダーバーグ2012ロンポール死への策略が明かされるバーグモバイル

バトルシップ [DVD]

　本作は、エイリアンが地球に攻めてくるという『ありがちなＳＦ映画』ではありますが、ユニバーサル１００周年記念映画とあって、「トランスフォーマー」や「2012」とかを髣髴とさせる映像的迫力はもちろん、なかなか考えてあるユニークばな脚本となっています。
　まず、エイリアンたちは圧倒的な文明力を持ってはいるが、本格侵略を前にした先遣隊のため絶対数が少ない。そこで海上にバリアをはって立てこもったり、通信手段を失って本国（母星？）への通信回線を確保しようとします。また、彼らは偵察隊として派遣されたのだろう、基本的に危険を感じたとき以外は攻撃してきません。人類としては、そこに付け入るすきが生まれるという仕組み。　演習に集まった沖合の大軍はバリアを突破することはできないが、幸いにしてバリアの域内には３隻の最新軍艦がいる。エイリアンが宇宙から援軍を呼び寄せる前に、この３隻で彼らをせん滅しなくてはならない。彼らが最後の希望というわけ。圧倒的科学力を持つエイリアンとて日米海軍すべてを敵に回したら勝てない、そんな絶妙なパワーバランスが緊迫感を生むという仕掛け。

　エイリアンの張ったバリアは、電子的な通信も遮断するので、結果的にイージス艦はその目を奪われ、得意のロングレンジ攻撃をも封じられてしまいます。ところがどっこい、そこであきらめないのが海軍魂。予想外の戦術を持ってエイリアンに立ち向かうたった３隻の日米連合軍。浅野忠信演じるナガタによる秘策、そして陸上における別働隊の援護によって、必死に盛り返していきます。
テンポもいいし街はブッ壊れまくるし爆発もします。リーアム・ニーソンは出番は少なかったけれども、笑えるシーンも多いですし、退役軍人の爺ちゃんたちもカッコイイ。
　
主演のテイラー・キッチュは、「ウルヴァリン」にも出ていたようですが、あまり覚えていない。まずまずじゃないかな。「ジョン・カーター」にも出ているので、ハリウッドでは期待の俳優なんでしょう。
　海上自衛官ナガタとして出演していた浅野忠信は、「マイティ・ソー」のように申し訳程度かと思っていたら、すごい活躍。前述の「潜水艦ゲーム」的な戦いのところは、活躍していてカッコよかったです。

　終盤にはさらなるトンデモな展開があるのですが、本作のタイトルの真の意味を知ることとなります。こいつは凄いです。このアホらしさ、私は好きです。このバカ展開を爆笑拍手しながら楽しむのが一番正しい。 (笑)
　エンドロール後に、ショートムービーがあるのでお見逃しなく。なんだか次回作作る気満々でしたね。今度は大西洋が舞台となるのかな。

グリーンバーグ批評選集

アメリカを代表し、ニューヨーク知識人の一翼を担った美術批評家クレメント・グリーンバーグの評論を編んだ1冊。現在日本語で書かれ、購入できるのは本書のみ。グリーンバーグは、伝統的なヨーロッパ芸術は20世紀に入り、その芸術性と前衛性に翳りが見え、その限界を超えうるのはアメリカの前衛だと考え、その典型的な芸術家にジャクソン・ポラック（グッゲンハイム美術館に彼の作品がある）に着目して19-20世紀の主要な芸術思潮を展望する。
特に印象派を開眼させるマネの存在を中心に、技法よりも自己の確立をキャンバスに描きこんだことを高く評価する。この評価は後のジョルジュ・バタイユやミシェル・フーコーよりも数十年速い、その慧眼な観察をまとめた「アヴァンギャルドとキッチュ」を先頭に、最後は彼が通いなれたモマ（MoMA）に多数の作品が残るマティスで最後を飾る卓抜な美術批評15本を納める。日本語版を編むにあたり著者にライン・ナップを確認させた周到な編集作業を経ているので無駄がない。
ニューヨークのグッゲンハイム、モマなど20世紀の作品を鑑賞する予定のある読者は必読。現代芸術へのアプローチ方法を教えてくれる珠玉の批評で、素人にも楽しめる。