密封<奥右筆秘帳> (講談社文庫)
この物語の主人公は、奧右筆組頭の立花併右衛門とその隣家に住む「お控えどの」柊衛悟。
衛悟は剣の修行をしていて、強いけれど、最強ではなくて、
自分が全くかなわない相手と剣を合わせることになる。
時代小説で良く描かれる剣豪は、いつも最強でいるけれど、
衛悟はまだまだ成長途中。
だから、悩むこともあるし、相手が怖いし、もっと強くなりたいと思う。
そこがおもしろくて、長いシリーズの中で
少しずつ強くなっていって欲しいと思う。
解説の縄田一男サンも書いていたけれど、
「これで続きを読まずにおられようか。早くも二巻目が待ち遠しい」
Wacom プロフェッショナルペンタブレット Lサイズ 紙とペンに迫る書き味 Intuos4 PTK-840/K0
今までIntuos3のワイド用で24インチのワイドモニタを使い漫画原稿を描いていました。
4を買うにあたってミドルにするかラージにするか、さんざん迷って結局このサイズに。
サイズで迷っている人も多いと思いますが、大きい方が後々後悔がないと思います。
今まで使っていたIntuos3との比較ですが、まず描き味がかなり違います。
3の時にフェルト芯+マットシートで使った事もありますが、
その組み合わせよりも4の標準芯の方が個人的にはずっと良い感触で描けます。
ただペンの感度や描き味が変わったせいで、今までと同じペンタッチで描けなくなって
コミックスタジオの調整に少々手間取りました。
3でマットシートを使った時は、フェルト芯のみならず使用につれてシートの
表面部分が削れてしまい、結局摩擦がなくなってしまったのですが、4のシートは
どうなんでしょうか。その点はちょっと気になります。
ペンの方は長さが短くなって3のペンより消しゴム機能を使うのが楽になりました。
個人的にはサイドスイッチの下のボタンに指が触れてしまいよく暴発してしまうので、
そこのところも改良して欲しかったのですが、3のペンは消しゴムが使いにくくて
手も疲れやすいあの長さが一番の不満だったので、そこが改善されたのはありがたいです。
3で時々使っていたファンクションキーは4でサイズが小さくなって押しにくくなりました。
指がよほど小さい人じゃないとストレスが溜まるだけです。なんでこんなに小さくしたのか
意味がわかりません。この点は3より退化しています。タッチホイールは3の直線式より
使いやすいと思うのでボタンをどうにかして欲しかったですね。というかファンクション無しの
廉価版も出して欲しいところです。
不満もありますが、思い切って購入して正解でした。
特に漫画などの線画を描かれる方にはかなりのおすすめ品ですね。
今まで初心者がタブレットで直接線画を描くにはそれなりに練習時間が必要でしたが、
この描き味なら慣れるのも早いと思うので、これからチャレンジしてみたい方にもおすすめです。
墨痕 奥右筆秘帳 (講談社文庫)
上田作品の虜になったのは、この奥祐筆シリーズを読み始めてからです。立会いでの気合声の、ヌン、と言うのが堪りません。それと、私達世代は江戸時代三代改革執行者の一人、松平定信、白川楽翁は良い者イメージですが、何となく食えない権力欲指向の俗物として登場している所が興味深いですね。
侵蝕<奥右筆秘帳> (講談社文庫)
家斉毒殺の手段は大奥での夜伽にあり。よく考えるよと言えばそれまでだが、家斉の女好きが背景になければ成立しない話でもある。その家斉と女御庭番とのやり取りが実に秀逸である。僅か2シーンだけなのだが、印象的に記憶に残った。この巻はこのシーンのためにあったと言っても過言でないのだ。