2ちゃんねる宣言 挑発するメディア
某巨大宗教団体のキャッチフレーズを頂いたが、2chは人間の営みそのものだ。清濁合わせた混沌、数で圧倒する平凡と少数の優れた情報。およそ人間の興味を網羅してしまう恐ろしい幅の広さ等など。
後世の歴史家や民俗学者社会学者が20世紀末から21世紀初頭の日本人を理解するなら新聞雑誌よりも断然2chに価値を見出すと思う。
この本でひろゆき=ハッカー精神の持ち主、という指摘は鋭い。
2ちゃんねるで学ぶ著作権
普段なら絶対出会わないであろう、牧野弁護士とひろゆきというコラボレーションの企画そのものが秀逸だと思う。
そして2チャンネルが過去に出会ったトラブルからひろゆき氏も著作権については、ズブの素人ではないので話がはずんで面白い内容だ。
筆者は経験から、著作権という特殊な世界は専門にやっている弁護士でないと知らないことが多いことを知っている。牧野弁護士のような経験豊富な方の見解をこの値段で、カジュアルに読めることはたいへん価値があると思う。取り上げている題材は軽いが見解は微妙なところを判断なさっていて、参考になった。
ともすれば、著作権という言葉を脅しに使う風潮がある今、インターネットで情報を発信する人は読んでもよいのではないだろうか。
著作権法そのものが巻末にでも掲載されているとなお、よかったと思う。